このページでは、インターナショナルスクール受験の面接を予定されているご家庭の保護者の方向けに、インター面接の基礎知識やアドバイス、注意点などをご紹介します。
インターの面接という場合、プリスクール、キンダー、小学校をイメージされているご家庭が多いと思いますが、もちろん、インターの中学校、高校でも保護者の面接があるような場合には、参考にしていただけます。
また、具体的にインター面接で英語で聞かれる質問や、その回答例(英語)をお知りになりたい方は、「インター面接での英語での質問&回答例50選!(保護者向け)」をご参考になさって下さい。
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目次
1. 面接形式、重視される事
1-1. 面接形式
親の面接がある場合のインター面接のパターンとしては、以下3つが代表的な形です。
①親と子供と先生で一つの部屋で面接が行われる形
②親と子供が別の部屋で面接される形
③親と別の親同士が一つの部屋でディスカッションをしている間に、子供は別の部屋で行動観察や英語力(英会話力)をテストされる形
仕事などの都合で両親どちらかが出席できないという形でも大丈夫ですが、両親とも出席が可能ならば、それだけ学校に対する家族の熱意を示すことができるので、お勧めします。多くのインターナショナルスクールの面接は平日になるので、会社員であるならば、会社を休まないといけません。
なお、中学生以上の生徒の受験の場合は、一般的に本人が英語を話せて自分の考えを主張できるので、面接があったとしても、本人のみが英語で面接を行います。親の面接はない場合が多いです。学校によっては、海外からの受験生も多いので、小学校高学年では、成績表などの書類審査で合否を出す学校もあります。ただし、学校に入学するのがゴールではなく、入学してからも親が参加可能なイベントなどは沢山あるので、やはり親もある程度の英語を話せた方が、親子で楽しいインターナショナルスクールの体験ができると思います。
1-2. 面接で重視される事
どのインターナショナルスクールもそこの教育方針に自信を持っているので、時間に余裕を持って、きちんとそれぞれのインターナショナルスクールについてリサーチし、その学校に合った発言をすることが面接時での加点になります。違うインターナショナルスクールの特徴を他のインターナショナルスクールで間違って発言しないことは言うまでもありません。
また、面接で英語で話す事を求められる場合、苦手な英語で話すことだけに集中したあまりに、肝心な志望動機で、別のインターナショナルスクールのために練習した言い回しを間違って言わないようにも注意したいです。実際に、そのような失敗をされた事例をこれまでにも聞いた事があります。
ちなみに、インターナショナルスクールではシングルマザーやシングルファーザーなどでも、経済力と英語力(英会話力)があれば特に選考においてマイナスになる事はありません。大切なのは、子供に対する愛情と熱意だと思います。
2. インター受験は日本の「お受験」とは違う
インターナショナルスクールの面接は、日本のいわゆる「お受験」とは異なり、面接の洋服もカラフルなものでも大丈夫ですし、内容も堅苦しいものばかりではありません。逆に言えば、「お受験」のように予測可能な質問ばかりではない場合があるので、英語面接の場合、英語が苦手な方は英語での対応に困るということもあり得ます。
学校の理念や考えと家族の考えや雰囲気が合うかどうかを検討するのがインターナショナルスクールの面接なので、フィーリングが合えば受かる可能性も高くなります。面接で言いたいことを伝えるためにも、受験したい学校のリサーチは必須です。
また、多くのインターナショナルスクールは少人数制なので、人気が高いインターナショナルスクールでは、いくら「条件的に」その生徒が合格に値すると思っていても、人数的な制限により、合格できないという事もあります。その場合は “waiting list”に入り、学年の途中で転校する生徒がいれば、再度連絡がくる可能性もあります。それ故、インターナショナルスクールは「受験の時期」はあるのですが、通年で受け入れをしているのが通常です。又、インターナショナルスクールは毎年受験できるのが特徴なので、本当にインターナショナルスクールを希望するのであれば、一度断られたからあきらめるのではなく、何度も挑戦されると良いでしょう。
3. 保護者の英語力(英会話力)
3-1. 昔からあるインターナショナルスクール
インターナショナルスクールの面接は、英語で行われる所がとても多く、特に昔からあるインターナショナルスクールのプリスクールやキンダーガーデンの面接は基本的に全て英語で行われます。
歴史があるインターナショナルスクールを中心に多くのインターナショナルスクールでは、受付などの事務をする人以外は外国人なので、学校に一歩足を踏み入れると、まるで海外の学校にいる雰囲気です。よって、親の一人は英語でコミュニケーションをとれることを前提としたインターナショナルスクールが多いです。こういったインターナショナルスクールを目指していらっしゃるご家庭の場合、インターナショナルスクールを受けるまでに、子供も親もある程度の英語力(英会話力)を身につけておく事が望ましいです。
上記のようなインターナショナルスクール受験においては、面接の日程を連絡するメールや電話の問い合わせの段階から英語が必要となります。一つの目安として、ウェブサイトが英語のみの場合は、多くの場合は、面接などは英語のみで行われると予測できます。
3-2. 新しく設立されたインターナショナルスクール
一方で、近年は多くの新しいインターナショナルスクールができています。日本人が経営されていて、日本人のご家族のニーズにあったインターナショナルスクールの他にも、イギリスの有名校もいくつか日本に新たに進出してきています。日本人が経営しているプリスクールなどでは、日本語と英語の両方を教える試みをするなど、日本人のご家庭をターゲットにしているので、面接や連絡も日本語対応可能なところも多くあります。又、新規で海外から日本に進出しているインターナショナルスクールは、外国人ではない日本人の生徒にも学校に入学してもらわないと学校の経営が成り立たないという現実問題があるので、積極的に日本語での面接などの対応を検討しているとも思われます。
このように、面接で保護者が英語を話せる事が必須のインターナショナルスクールもあれば、そうでないインターナショナルスクールもあるので、アプリケーションを送る段階で受験するインターナショナルスクールに関してよくリサーチすることが大切です。書類審査は通過しても、面接で落とされてしまうというケースはあるので、面接対策も受ける前の段階から準備ができるのであればしていただきたいです。
4. 個人面接と集団面接で意識すべきポイントの違い
4-1. 個人面接のポイント
個人面接の場合は、パーソナルな自分自身の体験などの具体例を面接官に説明して、家族の英語に対する考えやインターナショナルスクールの良さを述べることができます。個人面接の方が、自ら発言することができるので、自分のペースで話の流れを作れると言えるでしょう。英語で話す事が求められる面接で、保護者の方が英語が苦手であっても、いくつかの英語の回答を事前に練習していれば、本番でも自信を持って話すことができると思います。
4-2. 集団面接のポイント
集団面接では、同じ問いに対して、複数のファミリーが順番に回答する場合や、「この学校に期待すること」や「どのような教育を子供に与えたいか」などのトピックについてディスカッション形式で行う場合もあります。
ディスカッションが行われる意図としては、学校に入学した際、保護者は他の保護者ともうまく会話ができるか、またはPTAに参加した場合に、コミュニケーションがとれるか、などが吟味されています。ディスカッションのリーダーシップをとる必要はありませんが、内容を理解し、自分なりの考えをゆっくりとした英語でも良いので、説明できることが求められます。
英語で話す必要がある集団面接は、他の人の話の流れがあるので、流れに逆らって話すのは、英語があまり得意でない方にとっては困難かもしれません。よって、集団面接こそ、英語が苦手な方は、あえて最初に発言することを意識すべきかもしれません。先に言いたいことを言われてしまっても、 “I agree with him/her.” など臨機応変に英語でも冷静に対応できるように練習しておいた方が良いと思います。インター面接時に親のディスカッションがあるか否かを事前に調べておけばある程度の準備はできるはずです。
5. 親、子供の同室面接時に親が子供に助け舟を出しても良いのか?
どの年齢や学年においても、歴史のあるインターナショナルスクールや、人気のあるインターナショナルスクールでは、子供は、ある程度の英語力(英会話力)がある事が大前提になっている所が多いです。
しかし、親と子供と先生で一つの部屋で面接が行われる場合には、プリスクールやキンダーガーデンに限っては、同室にいるので親が子供を助けてあげても大丈夫だと思います。例えば、子供の英語力(英会話力)が不十分である場合や、恥ずかしがり屋さんであって初対面の面接官とうまく会話できない場合は、親がそれとなく助けてあげても良いと思います。そのような場合、親も英語で助け舟を出してあげられるくらいの英語力(英会話力)を身につけておきたいです。特に、子供がシャイな性格で、同室で面接をしているならば、意識的に助けてあげても良いでしょう。これくらい幼いこどもであれば、親が助けたからと言って、面接で減点にはされないはずです。
6. 小学生でも面接時に親が子供に助け舟を出しても良いのか?
これは学校によりけりかもしれませんが、低学年までは手助けしても良いと思います。
小学校の高学年の場合は、「学校に入学しても、クラスで発言できるか心配だ」と判断される場合があるので、親が手助けするかはその状況で判断するしかないとは思いますが、好ましくないケースもあるかもしれません。特に、インターナショナルスクールでは、良くも悪くも自己主張が強い生徒が多い傾向があるので、「積極的な生徒」が多いインターナショナルスクールでは、「発言しない生徒」は「クラスへの積極性が欠けている」と判断され、せっかく入学できても、テストで良い点数をとれても成績はあまりよい評価をもらえない、という事にもつながってしまう場合もあります。
ただ、小学校高学年であれば、そもそも面接の部屋が親と子供で別という形が主流だと思いますし、書類審査のみで合否を出すインターナショナルスクールもあります。
7. 子供が別の部屋で行動観察や英語力(英会話力)テストされる場合の対策
7-1. 事前の声がけ
このケースでは、子供は独立して別の部屋に行くので、プリスクールやキンダーガーデンの子供だと、慣れていない環境なので、泣き出してしまう子供もいるでしょう。プリスクールやキンダーガーデンでは、泣き出しても許されると思いますが、学校側の印象としては、加点にはならないので、事前に子供に「今日は知らない先生と会うかもしれないけど、こわがらないで大丈夫だよ。」と話しておいた方が良いと思います。又、「知らないお友達が同じ部屋にいると思うけど、楽しく仲良く遊んでね。」とポジティブな声掛けを面接がある前から何回もしておくと良いでしょう。
7-2. 外国人慣れさせる
日本人の家族が多いプリスクールから外国人が多いキンダーガーデンを受験するというご家庭は多いと思います。
初めて「目が青い子供と同じ部屋に入った」というケースも少なくはないかもしれません。カルチャーショックを面接という大切な場面で迎えないように、外国人が多い公園などで日頃から遊んで、外国人の前でもリラックスできたり、外国人に抵抗がないような状態にしておくと、面接時に自然体でスムーズな対応が子供もできるかもしれません。
8. インター面接時の注意点、NG な事
インターナショナルスクールは、面接時の服装や髪型は自由ですが、言動などには注意すべき点やNGとされることがいくつかあります。インターナショナルスクールは「自由な校風」ではありますが、何でも許されるわけでは勿論ありません。
8-1. 犯罪歴、暴力、差別
常識の範囲ではありますが、法律で罰せられるような言動や行動に対しては、私立なので特に厳しいです。親戚に法律を犯した人物がいないかのバックグラウンドチェックなどがあるインターナショナルスクールもあります。
また、インターナショナルスクールは、暴力や性差別などにはとても厳しい姿勢を持っています。例えば、家庭内暴力などのドメスティックバイオレンスがあると面接官が会話で感じた場合は、どんなに経済力があり、英語力(英会話力)がある家庭であったとしても、面接では排除されます。又、女性蔑視的な発言は、面接官が女性の場合は特に避けた方が良いと思います。
8-2. 政治的、宗教的な思考
政治的思考や宗教的な思考の発言もNGです。
日本の学校でもこれは同じかもしれませんが、「学校」は「中立的な」教育の場なので、政治や宗教的な理念の話題を面接の場で発言するのは適切ではないとされています。ただし、インターナショナルスクールの中にはカトリック教会が母体となっているものあります。自分の家族が「このインターナショナルスクールを受けたい理由」の一つに、「この学校と同じ宗教的な理念を持っているからです」や「私自身カトリックで、子供をカトリックのインターナショナルスクールに入学させたいと思っているからです」というように、志望動機につながるのであれば、宗教団体が母体であるインターナショナルスクールに限っては、宗教的な信条を共有しても良いと思います。
逆に、インターナショナルスクールのウェブサイトには、「宗教的な信条により、アプリケーションの審査で不利になるという事はありません」というような但し書きがされている事も少なくないです。例えば、仏教徒やヒンズー教の生徒でも、カトリックのインターナショナルスクールでは歓迎されている、という意味合いで記載されています。
9. 過去と現在のインターの状況の違い
9-1. インターナショナルスクールの増加
現在は、インターナショナルスクールの数は増えています。人気のあるインターナショナルスクールでも、新しい校舎を建設し、ハード面でも他のインターと比較しても魅力的だと感じてもらえるように、努力をしているように感じます。インターの数が増えることによって、インターを希望する日本人の保護者にも選択肢が増えるので、喜ばしい傾向だと思います。
9-2. 学費の高騰
上記の通り、人気のあるインターナショナルスクールでも、新しい校舎を建設するなどが行われていますが、この新しい校舎建設に伴い学費の一部である「維持費」が高くなっているのも事実です。更に、寄付金なども積極的に学校側からリクエストされます。(寄付はあくまでも任意です。)
日本の学校は私立でも著しい学費の変化はありませんが、インターナショナルスクールは他の国や他のインターから優秀な先生を確保しないといけないので、そのような理由でも、年々学費が高くなっています。ある意味、学費も「グローバル・スタンダード」で変化するのです。他国で学費が年々高騰している以上、日本のインターでも学費を上げないと、世界のインターナショナルスクールとの競争についていけなくなってしまう現状があるのです。よって、今の学費も、子供が卒業するころにはもっと高くなっていることも想定しておかなければいけません。
9-3. コロナ禍での変化
コロナ禍では、インターには変化が起きました。外国人の多くは、日本のワクチン接種の遅さに不安を抱き、会社の本社が海外にある会社員の多くは、日本を「脱出」するためにチャーター便で帰国しました。インターのクラスによっては、一気に十名もいなくなることもあり、その穴埋めとして、今まで “waiting list” にいた日本人家庭が一気に入学を許されたことが目立ちました。無論、英語力(英会話力)を求められるインターでは、日本人であっても英語を話せる事が前提だとは思いますが、クラス内の日本人比率が高くなり過ぎないよう、外国人と日本人の比率をある一定の割合にしていたインターでも、この変化は顕著でした。アフターコロナと言われるようになった今、インターナショナルスクールの傾向もこれからは徐々に変化することでしょう。
10. まとめ
プリスクール、キンダーガーデン、エレメンタリー問わず、どこの受験であっても、まず大切な事は「この学校はうちの家庭、子供に合っているか」という問いに対してご家庭でしっかりと話し合っておく事です。
インターナショナルスクールは一色淡ではなく、それぞれのカラーがあるので、色々なインターナショナルスクールをよくリサーチし、その中でご家庭の方針や考えに合うインターナショナルスクールが見つかれば、あとは、英語面接のインターであっても、“Why did you choose this school?” という問いかけへの英語での回答をしっかりと練習しておけば、面接で緊張したとしても、自然に回答ができ、合格への道が拓けるでしょう。
冒頭でもご紹介しましたが、具体的にインター面接で聞かれる英語の質問や、その回答例(英語)をお知りになりたい方は、以下の「インター面接での英語での質問&回答例50選!(保護者向け)」をご参考になさって下さい。
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