こんばんは!
今回は、日本のインターナショナルスクールで使われる“There’s no use crying over spilled milk”という表現についてご紹介します。
目次
1. “There’s no use crying over spilled milk”という英語の慣用句の使い方
小さい子供がいる英語圏のお母さんは、何度も“There’s no use crying over spilled milk”という英語の慣用句 (idiom)を子育て中に使っていると思います。
この慣用句は意味をイメージしやすく、「こぼしてしまったミルクはコップに又戻すことはできない」ということで、「やってしまった失敗を悔やんだり、過ぎ去ったことを理由に泣き出しても、その起きてしまった事実は変わらないし、元に戻せない」ということを意味します。
又、「泣いていても過去は変えられないし、何も前進しないから泣くのはやめましょう。感情的にならないで、もっと建設的に考えましょう。」という意味合いも含まれています。
更に、「いつまでも泣いていても無駄だから、早く泣き止みなさい」という時には、“Don’t cry over spilled milk”という使い方をする場合もあります。意味は同じく「やり過ごしてしまったことは仕方がないから、諦めなさい」というニュアンスです。
幼い子供がジュースやミルクを実際にこぼした時にも、お母さんが“There’s no use crying over spilled milk”と子供に言い聞かしている場面もあります。飲み物に限らず、アイスクリームやお菓子を落としてしまった場合も以下の例文のような形で使われます。
このように、英語圏では日常的に使われる英語の慣用句です。
2. インターナショナルスクールで“There’s no use crying over spilled milk”が使われる時
インターナショナルスクールのプリスクールやキンダーガーデンでも、“There’s no use crying over spilled milk”という英語の表現は使われます。例えば、先生が生徒に「過ぎ去った間違いは仕方がないから、もう忘れて次のことに前向きに取り組みましょう。」というニュアンスで使われます。
以下は例文です:
There’s no use crying over spilled milk. Don’t worry about it. Let’s check if you didn’t get any cuts.
(おもちゃが壊れちゃったのは仕方がないから、気にしないでね。それより、どこか怪我してないかチェックさせてね。)
他には、小学生くらいの子供がテストで悪い点をとってしまって悩んでいるときに、以下のような言い方もできると思います:
There’s no use crying over spilled milk. You’ll just have to do better next time.
(テストで悪い点数をとってしまった事実は変えられないから、頑張って勉強して、次のテストで良い点数を取ればいいよ!)
3. “There’s no use crying over spilled milk”に類似した英語の表現
“There’s no use crying over spilled milk”の意味に類似した英語の表現で、同じくらいの頻度で使われるもう一つの英語の表現に、“What’s done cannot be undone.”というフレーズがあります。
これは、ウィリアム・シェークスピアの四代悲劇の一つの“Macbeth”に出てくる有名な文章です。意味は同じく「一度行ったことは、行わなかったことにはできない」という意味合いです。
余談ですが、欧米諸国では義務教育の教科書的な扱いでシェークスピア作品を学習するので、日常的にシェークスピア作品の有名なフレーズを会話の中で使います。実際に本を読んでいない人でも、これらのいくつかの有名な言い回しだけは広く知られているので、日常の英会話でも使われています。
意味合いは同じなので、“There’s no use crying over spilled milk”と“Don’t cry over spilled milk”の慣用句と一緒に“What’s done cannot be undone.”という英語の表現もセットで覚えておくと良いと思います。
There’s no use crying over spilled milk, so let’s get you a new ice cream.
(もうアイスクリームを落としてしまったのは仕方がないし、落としてしまったアイスクリームはもう食べられないから、あきらめて新しいのを買ってあげましょう。)