こんにちは!
本日はインターナショナルスクールで使われる“Clean up”と“Tidy up”と“Put away”の使い分けについてご紹介します。
1. “Clean up”と“Tidy up”の使い分け
海外での旅行中でも、「きれいにしよう」という意味の“Please clean up!”という英語表現を聞いたり、表記されている標識を見たことはあるでしょう。
例えば、滞在先のホテルの部屋を掃除してもらいたい場合は、ホテルのフロントに“Please clean up the room.”と連絡をすれば、部屋の清掃担当のHousekeepingにその部屋を掃除するように連絡を入れてくれます。
もしくは、ホテルの部屋には、ドアノブに引っ掛ける標識に「起こさないでください」や「入室しないでください」という意味の“Please do not disturb”の標識とともに、「部屋を綺麗にしてください」や「部屋の掃除をしてください」という意味の“Please clean up the room”の標識もあります。
英語で、日常生活を送るうえで、“Please clean up the room”と同じくらいの頻度で“Please tidy up the room”という表現も使います。では、似ているこの二つの表現ですが、どのような違いがあり、使い分けたらをしたら良いのでしょうか。
“Please clean up the room”は、「部屋の汚れを除去して、きれいにする」という意味合いの“clean up”を使用しています。掃除機などで掃除をする場合はこちらを使います。
“Please tidy up the room”という英語表現には、「片づける」という意味の“tidy up”が使用されており、「整理整頓をして、分類をして片づけてきれいにする」という「整理整頓や分類」という作業が加わります。親が子供に「部屋を片づけてね」という時は、“Please tidy up your room”を使います。
保育園や幼稚園などの幼児のための施設でも、おもちゃは、「車」や「ボール」とラベルで分類されている場合が多いですが、先生が「園庭で遊ぶ前にお片付けをしましょう」という場合には、“Please clean up”も使えますが、“Please tidy up”の方がより適切な言葉かもしれません。“Please tidy up the room”の英語表現には、「分類された場所にきちんと整理整頓して入れて、この共有の場所をきれいにしましょう」というニュアンスが含まれているからです。
2. インターナショナルスクールで使う“Clean up”と“Tidy up”と“Put away”の違い
日本でも「お片付けの歌」で「お片付け、お片付け、さあさ皆さんお片付け」という歌があるように、インターナショナルスクールのプリスクールやキンダーガーデンでよく使われる英語版の「お片付けの歌」もあります。
“Clean up, tidy up and put the toys away please”という歌です。“Clean up”と“tidy up”に付け加えて、“put the toys away please”という英語表現がこの歌には出てきますが、こちらは「もとにあった場所に玩具を戻す」という意味です。従って、この英語版「お片付けの歌」は、「きれいに汚れをふいたり、整理整頓して片づけて、おもちゃを元の場所に戻してあげてね」という和訳になります。他にも、色々な歌い方や歌詞の「お片付けの歌」はあるとは思いますが、先生が生徒達に楽しくお掃除に参加してほしい、という願いは万国共通だと思います。
“Please clean up”と“Please tidy up”と“Please put away the toys”の他に、冒頭を“Let’s”を置き換えて使うことも多いです。置き換えたら、“Let’s clean up”と“Let’s tidy up”と“Let’s put the toys away”というフレーズになります。冒頭を“Let’s”で代用した場合は、「みなさんで」や「一緒に」という意味があるので、「先生達だけではなく、みんなで力を合わせてきれいにしましょう」という気持ちが込められています。
インターナショナルスクールのプリスクールやキンダーガーデンの現場では、“Please clean up”と“Please tidy up”と“Please put the toys away”は、それぞれ同じくらいの頻度で、そこまで区別なく先生達は使用していると思います。沢山の幼児を引率する上で、「整理整頓してほしい時は“Please tidy up”を使おう」という考えはおそらくなく、実際に忙しく目まぐるしく推移する毎日では「きれいにしてほしい」という気持ちが伝わればよいという部分はあると思います。
但し、以下のように意識的に区別して使われる場面も勿論あるはずです。
■put the toys awayを意識的に使うケース
「車」とラベルが貼られた箇所に「電車」も「車」も明らかに適当にとりあえず入れている児童が目の前にいて気になった場合は、集団生活にきちんと参加してほしいという思いで、「正しい箱におもちゃを戻してね」と注意することもあるでしょう。そんな時は、英語では、“Let’s put the toys away in the correct box.”という英語表現が使われます。
■clean upを意識的に使うケース
物理的にランチや飲み物を床に落として汚した時には、“Let’s clean up this mess”という風に“clean up”の方が意図的に使われるでしょう。「整理整頓」というよりかは「汚れを除去してきれいにしましょう」という意味が強いからです。
■tidy upを意識的に使うケース
先生が生徒に、ものが出しっぱなしでごちゃごちゃになっている机をきれいにしてほしい場合は、やはり「整理整頓して片づける」の意味が強い“Let’s tidy up”がふさわしいでしょう。「あなたの机を」という“your desk”を加えて“Let’s tidy up your desk”という英語表現になります。
■put awayとtidy upを併用して使うケース
「まずはいらないものをかばんにしまって、必要なものだけを机に整理整頓してね」という場合は、“put away”と”tidy upを併用して、“Let’s put away what you don’t need in your bag and tidy up your desk.”という風にできます。
似たような「きれいにする」という英語表現でも、時と場合によって区別はできるので、心と時間の余裕がある時は、それぞれの適切な言葉選びを試みてみましょう。